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都会になくて島根にあるものは、自然だけじゃない/NaCl世良典子さん

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 2015年11月に島根県松江市にIターンした株式会社ネットワーク応用通信研究所(NaCl)の世良典子さんは、奈良県出身。大学卒業後にITの専門学校に2年間通い、大阪市内のIT企業へ就職しエンジニアとして2年半Railsのアプリ開発などに携わった。そんな世良さんが、縁もゆかりもない島根へ移住したのはなぜか-。

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チャンスの多い街、島根

-なぜITの世界に入ったのか?
 大学生のころ、趣味でグラフィックデザインをやったり、ウェブサイトを作ったりしていました。ウェブで世界中の人々とコミュニケーションするのが楽しい一方、大学では歴史学を専攻していたので、博物館の入館者数の減少といった社会的な課題に触れる機会もありました。それらの課題をITを使って解決できるのでは、と漠然と感じていました。

-Rubyとの出会いは?
 専門学校の頃です。関西のオープンソースのイベントでRubyの無料レッスンがあり、そこで初めて出会いました。その数カ月後に(開発者の)まつもとゆきひろさんが講演で学校に来られ、「世界の課題のほとんどはITで解決できる」という言葉の熱量に圧倒されました。それからRubyを本格的に勉強するようになり、Railsのアプリ開発を手がけている大阪のIT企業に入社し、2年半エンジニアとして働きました。

-島根へIターンしたきっかけは?
 もともと受託開発がやりたかったのですが、前職は客先常駐が多い状況でした。それに、Rubyの技術水準があまり高くない環境だったこともあって、もっとレベルの高いところでやりたい、という気持ちもありました。そのほかにも、博物館や教育施設といった公的な分野のシステム開発を手がけたいという夢を実現するには、県や市などの地方公共団体がRubyを使った町おこしや産業振興などに取り組んでいる島根はチャンスが多いだろうと考えて選びました。そうした自分のやりたいことの条件にあう会社が「NaCl」だったのです。大阪の会社を退職した後、NaClでの1カ月間のインターンシップを経験してから入社しました。

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刺激を受けて成長できる場所

-現在の仕事はどうですか?
 楽しいですね。数カ月ごとに携わる案件は変わりますが、他社の方とチームを組んで東京の案件を担当することもあれば、地方の案件も多くあるという環境です。学んできたRubyの技術を活かすことができています。特に、弊社の人とチームを組んだとき、コードを見てもらうと、すごくためになることや役立つ内容を教えてもらえます。新しい開発のチームに入ると、とても勉強になりますね。周囲のレベルが高いから、ついていくのは楽ではないですけど、刺激になります。前職と比べて仕事の幅も広がりましたし、自分が思い描いていたことが少しずつできるようになっている実感があります。

-社内はどんな雰囲気ですか?
 みなさん、親しみやすいですよ。社内は、島根出身の人もいれば九州や関西から来た人、外国人など様々な方がいます。社内にそば職人の方を招いてそば打ち体験をやったり、みんなでワインを持ち寄ってワインパーティーをやったりするので、他のチームの人たちとも交流でき、仲良くなることができます。社内にシステムキッチンがあるので、ランチを作る人がいたり、仕事が終わってからの飲み会のために煮込み料理をしている人もいたりして、いろいろなコミュニティが生まれています。

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時間を持てるという贅沢

-移住して変わったことは?
 生活と働き方ですね。まず通勤時間が大幅に減りました。大阪で働いていた頃は、電車で片道1時間半をかけて通勤していました。往復で1日3時間、1年に換算するとおよそ1カ月を通勤に費やしていたことになります。当時は、朝9時スタートで夜8時くらいまでの勤務していることが多かったです。納期前はさらに遅くなりますから、残業も結構ありました。それが今は、通勤時間なんと徒歩10分です(笑)。弊社はコアタイムのないフレックス制ですから、仕事さえきちんとしていれば特に何時間は会社にいないといけないという拘束はありません。自宅作業もOKです。私は、10時に出勤して18時には帰るので、残業はほとんどしません。大阪の時のように長時間電車に乗ることがなくなったからか、風邪をひかなくなって健康面でもいい影響が出ています。

-手に入れた時間で取り組んでいることは?
 移住して1年が経った頃に、ITエンジニアの勉強会「Kunibiki.rb」を立ち上げました。10人前後のこぢんまりとしたRubyの勉強会です。初心者向けやハイレベルでもくもくとやるような勉強会はいろいろとあったのですが中級者向けがなかったので、SNSで「あったらいいな」とつぶやいたら、他のIT企業の方が「やりましょうよ!」と言ってくださって、スタートしました。堅苦しい場ではなく、知識や情報を共有したり、参加者それぞれが疑問を出しあって解決したりする自由な会です。エンジニア同士のつながりも広がっています。ほかにも山陰観光したり、カフェめぐりをしたり、時間の余裕は、生活の充実につながっています。

仕事も遊びも食もイイ

-Iターンへの不安はありましたか?
 特になかったですね。松江は、田舎すぎず都会すぎずの地方都市だから暮らしやすいです。魚介類などご飯もすごく美味しいので、食生活も充実しています。あと、自然が豊かな点も魅力ですね。海も山も近いので、車がなくても電車やバスで海水浴やスキー・スノボに日帰りで行くことができます。

-会社以外の人とはどんな交流がありますか?
 いろいろなIT企業の人たちが参加する「グルメリレーマラソン」というイベントもありました。チームを組んでリレー方式で走り、最後にホテルでご馳走を食べるというイベントなのですが、市役所の人たちも参加して盛り上がりました。自分から努力しないと親しくなれないというような環境ではないですし、いろいろな人がいろいろなイベントを開くので、SNSでつながっているだけでお誘いが入ってきて、孤立することもありません。
 なによりRubyに興味がある人が勉強できる環境は整っています。「Rubyといえば松江」と言われるだけあって、優秀なエンジニアがたくさんいます。すぐ近くに優秀なエンジニアがいる仕事環境って、すごく面白いし、やれることがたくさんあると感じます。ITエンジニアとして成長したいと思っている人にはオススメの環境ですから、ぜひ島根に来てみてください。

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