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優秀な人が集まるところに身を置きたい

コペンハーゲンから島根へ。
優秀な人が集まるところに身を置きたい

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デンマークで生まれ育ったトアさんは、結婚を機に来日、妻の出身地である島根で暮らし始めた。デンマーク最大の都市であるコペンハーゲンで生活をしていたトアさんの目に、島根という土地はどのように映っているのか? 日本で暮らし始めて5年、その暮らし心地、働き心地はどうなのだろうか。

私の居住歴 (デンマークからIターン)

デンマーク 日本 デンマーク 日本 (島根県)
子どものころから日本文化に憧れる 大学在学中に大阪に1年留学。今の妻と出会う コペンハーゲン大学院でソフトウェア開発を学ぶ 結婚と入社を機に島根へ。松江市から雲南市へ県内移動

日本、IT、結婚。3つのキーワードをつないだのが島根でした

-トアさんは、デンマーク出身ですね。まずは、島根というよりも日本との接点を教えてください。

トアさん:子どもの頃から日本に興味がありました。父親がよく日本に行っており、その話を聞いているうちにいいイメージを覚えるようになりました。大学では日本語と日本文化を勉強し、在学中に日本の大学に留学。加茂町の短期ホームステイプログラムに参加したとき、今の妻となる人と出会いました。彼女は雲南出身でした。
日本語と日本文化を知ることは楽しかったですが、きちんと仕事につながるような学問も学びたい。そう思ったボクは、帰国後、コペンハーゲン大学の院でソフトウェア開発の勉強を始めました。日本で暮らすならば、コペンハーゲン大学で学んだITの知識や技術を生かそうと思いました。

-島根に暮らすことになったキッカケは何ですか?

トアさん:妻に、一緒に日本で暮らしたいと話した時、妻からは島根においでよ、と誘われました。東京や大阪のほうが安心して暮らせるような気がする。でも、「家族の応援もあるし、試しに島根で暮らしてみようよ。ダメなら都会に行くというのでもいいじゃない」と言われ、心が動かされました。
ただ、そもそも自分が学んだ知識を生かせる企業が島根にあるのかわからない。そんなとき、妻が人づてに「島根県の有名なIT企業で”ネットワーク応用通信研究所(通称:NaCl)”というところがあるよ」と聞いてきて、会社の存在とRubyの開発者であるまつもとゆきひろさんとの繋がりを知りました。
Rubyという言語の開発者が所属する会社だからこそ、優秀な人が集まる会社なはず。そういった場所に身をおくと勉強になると思い、興味をもちました。一度、問い合わせたときにはビザがなかったためNGでした。その後、妻と入籍し、再度問い合わせをしたら、面接に呼んでもらいました。大学院を34歳で卒業し、来日しました。

熊本から島根へ。「島根じゃなきゃ」いけない理由があった

- 今はどんな仕事をしていますか?nacl

トアさん:「研究員」という肩書きですが、日々の業務はプログラミングをしています。数人のチームで”Webを通じてなにかを解決する”ための請負開発をしています。Rubyを使った開発も行っています。
初めてNaClを訪問したときに、みんな私服でオフィスも和気あいあいとした雰囲気で、ボクが想像していた日本の会社のイメージと大きく違うなと感じました。実際、チームメンバーの意見が取り入れやすい、効率を重視した柔軟性のある体制がとられていました。要件として降ってくるものもありますが、方針を決めて進めるのは自分たち。「指示されてやる」というスタイルではなく、上司に確認して進めるというやり方なので、決定のスピードも速く、やりやすいです。
企業訪問をしたときの第一印象と、ずれはないと感じました。

人は少ないかもしれない。でも、だからこそ「出会い」が多い

-島根の暮らしはどうですか?tor2

トアさん:今住んでいるのは、雲南市加茂町にある小さな集落。松江市内にアパートを借りて住んでいましたが、2人目の子どもができたのを機に、妻の実家へと引っ越しました。松江の生活は便利でしたが、子どもができたら、土や緑の多い田舎に行きたいと思うようになりました。都市部の幼稚園は知らないですが、ここの園舎は新しくきれいで外には広い遊び場があり、ゆとりのある場所だと思います。
子育てだけでなく、青年部市内のイベントに参加するうちに新しい人と出会って新しい友達ができるのが楽しいです。都会だと人が多く、外国人も多いので「1人」が大勢の中に紛れてしまう。ここだと同じように暮らしていても、交流の機会が多く、仲間がすぐできます。人とつながるチャンスが多いのが楽しいです。

- 都市生活とギャップを感じることはありますか?

トアさん:20代のときは都市志向が強かったですが、30代になって田舎もいいなと思うようになりました。
実際ボクは、大学生活こそ都市で暮らしていましたが、生まれ育ったのはデンマークの田舎町。都会は便利だし、最新の情報にすぐ触れられ、おもしろいイベントもたくさんあります。ただ、人が集まっている割には人と接することが少ない。都会のほうが個人との距離を感じることが多いと思います。
今の家には近所の人がよく来たり、週末必ず予定があったりと、人と接する環境に恵まれています。仕事以外での人間関係が構築できたことはいいことだと思います。

島根はチャンスにあふれた土地。人との関係で生まれる資源が潤沢

- 島根で生活して一番よかったと感じたエピソードがあれば教えてください。

トアさん:妻の実家が神社なのですが、一昨年初めてひもおとし(七五三)のイベントを見ました。神主さんが7人来て、4人ぐらいが舞をしました。とても豪華で美しく、感動しました。どこに感動したかというと、地方の小さい宮で、人がどれだけ来るかわからない。それでも力を抜くことなく祭りをあげているその姿勢が美しいと感じました。
ボクが日本の文化に興味があったからこそかもしれませんが、そこには「自分の役割」を全うしている姿が見えました。

- 島根で働こうかなと考えている人にひと言お願いします

トアさん :ボクは島根に5年住み、島根が大好きになりました。雲南市民や松江市民というより、「島根県民」だと思っています。
島根は田舎だけど、住んでいるうちにいろんな資源を発見しました。それは、人と人との関係から生まれる資源だと感じています。
田舎だからこそ、なにか特別なことをしないといけない、新しいことに挑戦しなければいけない、という危機感が県全体であるように感じます。そういった人たちが集まって新しくプロジェクトを立ち上げたり、起業したり、という面白い動きもあります。
ボクにとっては、島根はチャンスにあふれた場所だと思いますし、そういった動きをしたい人にはぜひ来てほしいと思っています。島根県に縁もゆかりもない人でも、地域の人や、県や市の人が助言をくれます。
島根には自然もあふれています。自然に住むことで、心の安息が得られます。自然に住むことで、気持ちや生活にゆとりも生まれます。「自然の中のくらし」「人とのつながり」に憧れている人は、ぜひ来てほしいです。

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