島根に訪問経験のなかった家族が、移住後1年で一戸建てを建てた
エフ・エスソフトウエア開発にエンジニアとして勤務する青木美将さん。
妻と子どもと愛猫とにぎやかに暮らすこの家は、2016年7月に建てたばかり。
すでに地域となじみ、幸せな日々を過ごすファミリーだが、実は美将さんは神奈川県出身、妻の真梨子さんも石川県出身で、ふたりとも島根県には縁もゆかりもなく、美将さんの転職が決まるまで訪問したこともなかったという。
そんなふたりは、なぜ島根という土地を選び、一戸建てを建てるという決断をしたのだろうか。
ある休日の昼下がり、青木さんのお宅にお邪魔し、お話を伺った。
Q.今日はよろしくお願いします。木の香りがする、素敵なおうちですね!
美将さん:ありがとうございます。いつかは地方に住んで、一戸建てを建てたいと思っていたので、夢がかないました。
島根に移住してきて、せっかくだから地元の木材をつかった家を建てたいと思い、地元の工務店さんにお願いして建ててもらいました。
県産材を7割以上使用しています。和室に寝転んだときの天井の木目が、私の一番のお気に入りです。
なぜ、島根?ふたりがここで暮らすまでの経緯は?
Q.おふたりは1年前に東京から島根に移住してきました。経緯を教えてください
美将さん:私は神奈川横浜市で生まれ育ち、社会人になってひとり暮らしを始めてからは、東京・神奈川のあたりを転々と引っ越して過ごしていました。
趣味の会合で偶然今の妻に出会い、とんとん拍子で話が進み、2013年に結婚。猫とともに暮らしていた都内の賃貸に、夫婦で住み始めました。
真梨子さん:石川県金沢市で青春時代を送ったのち上京し、好きな職業について気ままに暮らしていました。割と楽観的な性格で、どこで暮らしてもなんとかやっていけるかなと思って当時は上京し、仕事を見つけて過ごしていました。
Q.そこから島根へ。何がキッカケだったのでしょう?
美将さん:2014年の秋に子どもが生まれ“地方で暮らしたい”という想いが強くなりました。
自分の生活を見つめなおすタイミングで、1時間くらいかけて通う満員電車や、大事にしたい家族のこと……、いろいろ考えていくうちに、地方に移住して働くための情報収集を始めました。
Q.具体的な最初のステップは?
美将さん:何はともあれ、仕事がないことには地方移住の願いはかないません。
「地方 転職」「移住 エンジニア」などのキーワードで、ネットを使った情報収集を始めたとき、最初にヒットしたのが島根県のエンジニア向け転職フェアでした。
正直、島根県には縁もゆかりもなく、ここに住みたいという気持ちもありませんでしたが、とにかく行ってみようと思いました。
そして2015年の冬に参加したイベントで、今の会社の社長に声をかけられて、意気投合してそのままエフ・エスソフトウエア開発に就職することになりました。
Q.決断がすごく早かったのですね!「地方」なら妻の実家近くという選択肢もあったと思いますが。
真梨子さん:私は地元でも良いし、そうでなくても良いと思っていたので、夫の決断についていくことにしました。どこに住んでも、それなりに楽しくやっていけると思っているので(笑)
美将さん:まあ、仕事がないことには移住は決まらないですしね。
真梨子さん:実は、二人とも島根に行ったことって一度もなかったんです。
私は水木しげるさんのファンで、鳥取には行ったことありましたが、島根には足を踏み入れたことがありませんでした。
初めての訪問は、夫が仕事を決め、家さがしをするタイミングでした。
そんな二人が「島根」に抱いた印象
美将さん:エフ・エスソフトウエア開発に入社することを決め、2015年7月に入社しました。1ヵ月ぐらい東京で研修をしたのち、7月末に島根に移住しました。忘れもしない、翌日が水郷祭の日でした。
真梨子さん:島根に足を踏み入れた最初の印象は、少し懐かしい感じでした。
私の生まれが日本海側ということと、城下町だったというところで、なんとなく似た感じを覚えました。「いいかも」って思いました。
Q.最初の1年は賃貸住まい。その後すぐ家を建てたのですね
美将さん:もともと地方に住んだら家を建てたいという想いがあったので。
子育て世帯が家を建てると補助金がもらえる、という情報を島根に移住する前に「にほんばし島根館」で聞いていました。
さらに県外から島根に移住した世帯が1年以内に家を建てるともらえる補助金の情報など、いろいろ詳しく教えていただき、一戸建てを建てるにいたりました。
真梨子さん:最初に住んだ賃貸は築年数も古く、冬はすきま風も寒かったので、この冬は暖かく過ごせるのが嬉しいです。
Q.子育て環境としてはどうですか?
真梨子さん:入居して間もないですが、近所で散歩しているおばあさんと会話したり、同い年のお子さんがいる世帯が近所にいたりと、近所の人たちが見守ってくれているように感じます。
松江の人たちは、すれ違うと挨拶をしてくれるのが嬉しいです。
子どもの成長とともに、地域になじんでいきたいと語る青木さん一家。休日はいろいろな場所に出かけ、島根ライフを楽しんでいるようです。