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会社概要/登壇者プロフィール
高尾モナさん(Iターン3年目)
前職は、東京のベンチャー系IT企業。島根県のIT企業の転職イベントに参加し、「地方を元気にするための仕組みづくりに取り組む」というビジョンに共感し、入社を決意。
押田光雄さん(Iターン4年目)
東京で生まれ育ち、長く東京のIT企業で勤務するも、2015年に島根に転勤・移住。その後転職し、現在に至る。
坂原明裕さん(Iターン4年目)
Iターン前は京都に在住。子供が生まれたのをきっかけに、子育てしやすい場所での暮らしを模索し、妻の出身地である島根に移住。
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——(司会) 島根への移住で仕事や働き方がどう変わったか。そのビフォー・アフターについて、3名それぞれにお聞きします。
高尾 仕事内容は、東京に勤めていた頃と大きく変わっていません。前職では管理職をやっていましたが、現在も情報システム部の管理職をしています。ただ、東京では外に出ることがほとんどありませんでしたが、今は現場に出て営業に行ったりと、昔のように現場仕事に復帰してきた感覚もあります。
今はクライアントに対する企画提案、受注後は要件の詰めや工期管理、また部門管理などの社内業務など、担当業務は多岐にわたります。
押田 一言で言えば、よりアグレッシブになっています。ここでは個人の行動が地域に及ぼす影響が断然大きく、行動や結果のフィードバックが明確に感じられるので、より主体性を持って行動するようになりました。
モンスター・ラボは、アジアやヨーロッパ各国に拠点があり、グローバルでチームを組んでプロジェクトを進めています。都市であろうが地方であろうが、関係ありません。これは、全社員の共通認識です。
島根ならではの点でいいますと、Ruby(プログラミング言語)発祥の地なので、私たちも日々の業務ではRubyを多用していますが、他のIT企業から最先端の情報をもらえたり、互いに交流もあるので、とても刺激的です。
坂原 島根事業所は松江駅から車で10分ほどの小高い山の上、森に囲まれた閑静な場所にあります。オフィス内も社員一人当たりのスペースをゆったり確保できるので、落ち着いて開発できる環境にあります。エンジニアとして、集中しやすい環境が整っているんです。前職と比べると残業が減り、プライベートも充実しています。
移住する前、京都にいた頃は子育てを誰に頼めばいいか、困った時期がありました。今は妻の実家が近いので、その点も非常に助かっています。
——では、次は気になるリアルなお金の話です。Iターン前後でどんな変化がありましたか。
高尾 給与は東京と比べて減りましたが、その分出費が随分と減りましたね。まず、家賃が東京よりも断然安いですね。1/3程度になりました。県内でも住む場所にもよると思いますが、東京よりは確実に広くて、家賃も安い家に住めるはずです。
あと、スーパーなどでの買い物も安く済むようになりましたね。移住前は、地方のお店の方が物価が高いイメージがあったんですが、そんなことはありませんでした。特に食料品に関しては、地元の野菜が安く手に入ります。
押田 私も同じで、例えば生鮮食品などは旬のものが非常に安く売られていて、しかも鮮度がよく抜群においしいです。今(12月)だったら、カニの時期ですね。そういう意味で、本物が安く入手できる印象が強く、贅沢な生活が相対的に安価でできる。そう言えると思います。
坂原 私は、実は移住後に給料が上がりました。しかも、今住んでいるマンションは京都で暮らしていたところよりも1.5倍くらい広いスペースで、それなのに家賃は安くなりました。スーパーで安く新鮮な魚介類が買えたりと、生活費も少なく済むので助かっています。
——さて、今度は生活・暮らしの変化についてです。3人の満足度は、どう変わったのでしょうか。
高尾 まず、外食が随分と減りましたね。私はお酒が好きで、東京時代は仕事帰りにオフィスの目の前にある居酒屋に行くのが日常でした。外食が減った一番の理由は、そもそも車通勤だからです。運転代行の文化にはまだ慣れてないので、頼むのをためらいがちになり、家に帰って晩酌しています。そのせいか、島根に来てから少し痩せましたね。健康になったのかもしれません。
押田 何よりも、職住近接になったことで得られるゆとりが大きいですね。東京にいた頃は、片道2時間、往復4時間かけて通勤していました。それが、今は自転車で15分ほどです。お昼は一度帰宅し、家でランチを食べることもできるくらいです。
また、松江は国内旅行の起点としても思いのほか便利で、重宝しています。私はIターンを“観光転勤”と呼んでいるように、観光できることを大事にしているんです。島根からですと、近畿や九州、四国などに気軽に、しかも安価で行けます。私は城が好きなんですが、例えば四国の現存天守4城巡りを2泊3日でふらっと楽しむことができたりします。つい最近も、別府(大分県)の温泉を巡ってきました。
坂原 私も通勤は楽になり、今は車で約10分です。それと移住後は、食に対する興味が湧いてきました。以前はそれほど関心がなかったんですが、島根は魚をはじめ食材がすごくおいしいので、食事が楽しみになったんです。県西部の浜田市や鳥取県の境港市などに、おいしい海の幸を食べに出かけています。
——3人とも島根での暮らしを楽しんでいらっしゃるようですが、そんな島根の生活自慢を聞かせてください。
高尾 温泉と魚ですね。移住するまでは知らなかったんですが、実は島根は温泉地だったことがわかりました。近場に温泉があり、会社の近くにもあるので仕事帰りにも行けるんです。気軽に温泉に入れるのが自慢ですね。
それと、やはりなんといっても魚がおいしいです。私は出身が太平洋側なので、白身より赤身魚に馴染みがありました。ただ、日本海側の島根は特に白身魚がおいしくて、新鮮な地元産を安く食べられるのが魅力です。
押田 自然の恵みの中でITができる。これが、都会にはないものです。例えば、宍道湖で開催される、西日本最大級といわれる花火大会。湖上に花火が上がるので、湖に反射し、幻想的な光景が広がります。ほかにも、自転車通勤している際に、夕日など日常的にすばらしい景色を楽しめます。
海も青く透き通っていて、きれいなんですよ。日本海側の海はそれほどきれいなイメージがなかったんですが、海水浴するにはすばらしい環境です。一方で、冬は雪が積もります。スキー場もいくつもあるので、夏のアクティビティも冬のアクティビティも楽しめる魅力があります。
それと最後に、日本酒についても紹介したいですね。私は島根に来てから、日本酒が大好きになりました。聞けば、島根の日本酒は個性的な酒蔵が多いようで、いろんなお酒を楽しむことができます。
(スライド内の写真は、©松江市。出典:松江百景より)
坂原 私は先ほども説明しましたが、やはり自然に溢れた環境が島根の自慢ですね。私の住む松江市は県庁所在地なので、生活面での便利さもある程度ありながら、車で10〜15分も走れば山や海、湖などの自然が溢れています。
以前、松江から程近い玉造温泉で、足湯に浸かりながら仕事をしたことがありました。自然を楽しみながら仕事ができる。そんなとてもいい環境だと思います。
——最後に、移住を考えている人に伝えたいことをお願いします。
高尾 自立して動くことを意識する必要があると思います。特にバイタルリードの場合は、まだそれほど大きな会社ではなく、私が所属する情報システム部は10人程度の組織です。「誰かが何かをしてくれる」といった考えだとできることが限られ、仕事もつまらなく感じてしまうと思います。
とにかく、自分でどうにかしようと考える。そうすれば、都会よりもチャレンジできる幅が広がります。ぜひ、そんな意識で島根に来てほしいですね。
押田 私は島根への転勤・移住に最初から明確なメリットを求めていたわけではなく、移住前に今日のようなイベントに参加したわけでもありません。その点、今日参加している人たちは既に一歩を踏み出していると思うので、ぜひ積極的に情報収集して、いい移住を実現してほしいですね。
なにしろ島根県の人口は約70万人で、東京都の1/20程度です。つまり、1人当たりの価値が約20倍あるとも言い換えられます。たった1人の行動でも、大きな影響を生み出せる可能性があるんです。そういう視点で、島根での仕事や暮らしを楽しんでもらえるといいと思います。
坂原 私が住んでいる松江市は、人口もそれなりに多く、買い物を含め比較的便利な場所です。よそ者を拒否するような雰囲気はなく、IT企業も多いので、私にとってはとても入りやすいところでした。
都会から移住する場合、例えばいきなり限界集落のような人が極端に少ない場所だと大変かもしれませんが、まずは松江のような暮らしやすい中規模の町などでお試し移住をしてみるのは、ハードルが低くて、地方に馴染みやすい方法だと思います。それぞれに合った方法で、島根への移住をぜひ検討してみてください。
——高尾さん、押田さん、坂原さん、今日はとても参考になるお話をありがとうございました。
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