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島根県西部の石見地区の子どもたちにプログラミング教育を行う「いわみプログラミング少年団」で講師を務める福永文さん。IT未経験かつ子育て中だった福永さんがプログラミング教育に携わろうと思った動機は、子どもたちに教える代表理事の高田さんを見かけて「おもしろそうなことをやっている人がいるな」と直感したからだそうです。
>>「いわみプログラミング少年団」代表理事の高田さんのインタビューはこちら
2018年の秋、浜田の図書館で「いわみプログラミング少年団」のポロシャツを着て子どもたちに教えている高田さんを見かけました。「おもしろそうなことをやっている人がいるな」と興味を持ち、後で調べてみたところ、その団体で「メンター」を募集しているのを発見。子育て中で家にこもっていることも多く、「外に出たい!」という気持ちがあったので応募することにしました。
私自身はエンジニアだったことはありませんが、大学卒業後に1年弱勤めたWebデザイン会社でHTMLとCSSの基礎知識を学んでいたので、メンターをすることにあまり不安はありませんでした。また、前職では企業の人事をしていて、退職金制度の変更について全国を回って説明する機会が多くあったので、人前で話したり説明してきたりした経験も活かせると考えました。
「メンター」という言葉はさまざまな場で使われていますが、この道場の所属するCoderDojo では「支援者」のこと。子どもが主になってプログラムを作っているのを、寄り添って一緒に考えて支える伴走者のようなイメージです。昨年からは、授業の流れを組み立て、前で講義を行う「講師」も務めています。
島根県内の小学校、中学校、高校でプログラミングの授業を行っています。昨年はコロナでほとんど学校に行けませんでしたが、今年は2学期から月に平均2回くらい各所の学校に行く予定。また、21年5月には邑南町の小学生から高校生を対象とした公営プログラミング塾の講師も務め、さまざまな経験を積ませてもらっています。
講師業と並行して、学校で使うテキストづくりも行っています。授業では聞いたり見たりして学ぶことが多いとは思いますが、テキストを読んで理解するのが得意な子もいるので、テキストだけでも理解しやすい構成を心がけています。
自分自身がプログラミングを学んだ際に「ここがポイントだな」「この考え方のステップだと理解しやすかったな」と感じたことを、授業の説明やテキスト内でていねいに解説するのが心情。プログラミング初学者だったからこそ、生徒たちと近い視点で考え、教えることができているのではと思っています。
子どもは良くも悪くも表情に出やすく、反応もわかりやすいもの。授業中、話をしっかり聞いてくれて理解している姿を見るとやりがいを感じるし、がんばってよかったなと思います。おもしろいときは「おもしろい!」と素直に言ってくれるのもうれしいですね。
一方、「難しい」と一度感じてしまうとやる気をなくしてしまうのは難しいところ。「おもしろい」と感じるまでの説明でいかに興味を引けるかを意識しています。話の流れの組み立てを試行錯誤したり、理解しやすい言葉を選んだりするようにしています。
2児の子育てと仕事の両立は大変な面もありますが、教材の作成や打ち合わせをリモートで行ったり、作業をすきま時間で進めたりできるのはこの仕事のいいところ。講師に行く際は夫が子どもたちを見てくれ、高田さんはいつも「無理しないでいいよ」と言ってくれます。多くの人に助けられながら、安心して仕事を続けられていることに感謝の毎日。地域や子どもたちのためにコツコツがんばっている高田さんの力になれるよう、私もこの活動を通じて島根の地域社会に貢献できたらと思っています。
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