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地方移住を考えるとき、「給料が減る?」「仕事に満足できる?」「スキルアップできる?」「人付き合いが面倒じゃない?」など、さまざまなネックが出てきますよね。島根県ではその実情がどうなのか、実際にUIターンしたエンジニア10名にアンケートで聞いてみました。
10名のうち「増えた」と答えたのは1名だけ。その理由も、「勤務地に変更があったためだと思う」とのことです。一方で「減った」と答えたのは半数の5名。都市部よりも給与が下がってしまう傾向はあるようですね。ただ、給与が下がっても生活にあまり影響がないと感じている人が多いようです。
「減りはしましたが、やや異なる職種にチャレンジしたことと残業が減ったことを考えると気にはならないです。」(Iさん・Uターン)
「年収は3分の2程度に。はじめはかなり不安でしたが、住居費が安くなったことと、節約を意識しているので、特に暮らしに困っておらず今は気にしていません。」(Bさん・Uターン)
「かなり減りましたが、生活に変化はありません。以前は家賃が今の2倍、その他保育料やシッター費用がかなりかかっていたが、それがなくなったので問題ありません。」(Gさん・Iターン)
都市部での生活に比べて、「住居費や食費などの生活費が減った」と答えた方は7名。物価が安いことに加え、野菜や魚はたまにもらえることもあるそうです。「タケノコはいらないくらい生えてくるので、こちらで買うことはありません。」という、その土地ならではのコメントも。
「住居費が半額近くになったのが大きいです。また、以前よりも洋服にお金をかけなくなりました。ただ、自動車費用がかかるようになったので、生活費全体としては4分の3ぐらいの印象。」(Bさん・Uターン)
「家賃も物価も安いというのはあります。ただ、コロナ禍ということもあって、外での娯楽費がほぼないのが理由です。」(Fさん・Iターン)
「家賃や交通費がだいぶ変わったと感じています。」(Hさん・Uターン)
「実家が市街地から離れていることもあり無駄遣いが減りました(笑)。真面目な話だとUターンが生活を見直すきっかけになり、生活費を抑えることに繋がりました。あと、物価が安いことや野菜や魚はたまにもらえたりすることも大きいです。」(Iさん・Uターン)
地方移住は、今までの生活を見直すよいきっかけにもなるようですね。
「地方だと仕事の幅が狭まって選択肢が減ったり、案件数が少なかったりして、希望の仕事が見つからないのでは?」と、都市部を離れることに不安を感じている人も多いのでは。島根県の実情はどうなのでしょうか。
「東京の人とやりとりする頻度が高く、仕事の幅は広まったように感じます。」(Cさん・Iターン)
「多種多様な業務ができます。」(Eさん・Iターン)
「モダンな技術に触れる機会も多いです。」(Iさん・Uターン)
職場環境としても、都市部の会社とは違う魅力を感じているようです。場所にとらわれないITならではの意見ですね。特に松江市ではOSSなどの地域コミュニティがあったり、RubyWorld Conferenceが毎年開かれたりしているのも、島根ならではの魅力の一つです。
「前職より規模は小さい会社ですが、リモートワークなど環境が整っています。」(Iさん・Uターン)
「若い人が多く、活気があって楽しい職場です。」(Jさん・Uターン)
「若い人たちのプログラマーとしての能力が高く、刺激を受けます。」(Fさん・Iターン)
「全体的に早く帰れる雰囲気があります。」(Bさん・Uターン)
職場の人間関係はどうでしょうか。
「規模が小さい分、みんな仲がいいです。」(Gさん・Iターン)
「人間関係は良好。穏やかで優しい人が多いと思います。」(Bさん・Uターン)
「職員同士の協調性が高く、対人関係でのギクシャクが少ないです。」(Aさん・Iターン)
「皆さん仕事にパッションを持って、助け合いながら活動しているところがいいです。」(Dさん・Iターン)
「プロパーのみの職場なので、派遣先やパートナー会社などに気を使わなくてすみます。」(Jさん・Uターン)
都市部と関わりがあったり、モダンな技術に触れたりできる会社もあるようですね。また、以前の仕事と比較して、職場の人間関係が良いと感じている人が多いように感じました。
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「地方だと最新の情報や知識が入ってこないのでは?」「勉強会やセミナーはあるの?」といったスキルアップに関する不安の声もよく聞きますね。しかし、アンケートでは「スキルアップが難しいとは感じない」という回答が大半を占めました。
「スキルアップの壁は特に感じていません。むしろプライベートな時間が増えたので、やる気次第では以前よりスキルアップしやすい環境です。」(Aさん・Iターン)
「スキルアップに場所は関係なく、本人の行動力の問題。通勤時間が減った分スキルアップする時間は増えたと思います。」(Fさん・Iターン)
とはいえ、都市部と地方との差を感じることもあるようです。
「IT系の専門書を置いている書店があまりないので、店頭で手に取って選びづらいのは難点。でも、本自体はネットで買えるので困ってはいないです。」(Bさん・Uターン)
「気軽にセミナー等に参加するのが難しいですね。でも最近はオンライン対応しているものも多いので助かっています。」(Cさん・Iターン)
では、実際にエンジニアの方はどのような方法でスキルアップしているのでしょうか。
「クラウドの学習サイトを利用。以前も対面の学習教室は利用していないし、ネットがあればその必要性を感じていなかったので違和感はありません。」(Gさん・Iターン)
「コロナ禍以前は松江で勉強会がよく開かれていたようですが、今は会社の本やインターネットでの独学が中心。活発に勉強会が行われる日が来ることを願っています。」(Iさん・Uターン)
ネットを中心とした独学でスキルアップしている人が多いようです。ネット利用ならば、都市部でも地方でも変わらない環境と言えますね。プライベートの時間を多く持てる分、地方の方がスキルアップしやすいとも言えるかも。では、アンケートに回答くださったみなさんは、最近どんなことに取り組んでいるのでしょうか。
「今は、UX系の書籍を読んで勉強しています。」(Bさん・Uターン)
「ITやそれ以外の自己学習、東京のエンジニア仲間との会話、個人ブログの運営、動画編集などに取り組んでいます。」(Fさん・Iターン)
「副業の農業でスキルアップするため、農業ドローンでの農薬散布ライセンスを取得し、機体も購入。昨年から実作業で少しずつ経験を積んでいます。」(Jさん・Uターン)
「農業×IT」など、地方の方が取り組みやすい分野のスキルアップを図っている方も。コロナ禍で都市部でも対面での勉強会やセミナーができずオンライン化が加速する状況では、スキルアップ面においては地方と都市部の差は縮まっているとも言えそうです。
地方だと人付き合いが密になり、それが煩わしいのではと心配している方も多いと思います。職場での人との距離感は実際どのような感じなのでしょうか。
「休みの日に会うこともあるなど、関わりが深くなったと感じます。」(Bさん・Uターン)
「以前は職場の人とプライベートの話をする機会は少なかったですが、今は少人数の職場なので気兼ねが少なく話すことが多いです。」(Jさん・Uターン)
やはり職場での人付き合いはより親密になり、それを苦に感じないことのほうが多いようです。では、居住地周辺ではどうなのでしょうか。
「今はアパート住まいで、近所や自治体との関わりは以前とさほど変わりません。近所の方とは挨拶程度です。」(Bさん・Uターン)
と、以前と変わらない方がいる一方で、以前よりも増えたと答えた方が4名。
「全く知らない方から挨拶されることが多いので、私も知らない人に挨拶だけはすることが多くなりました。」(Fさん・Iターン)
「以前の都会のマンション住まいとは違い、地域の人と関わりが増えました。」(Eさん・Iターン)
「以前は近所付き合いがほとんどなかったですが、田舎では無視できません。自治会の常会や地区の奉仕活動も出席が当たり前なので、その点は全く変わりました。」(Jさん・Uターン)
「家族は町内会などへ参加しています。」(Cさん・Iターン)
居住地域などによって違いはあるかもしれませんが、人との距離は近くなるようですね。そして「人が優しく、親切な人が多い」というコメントもあるように、UIターン者のことを暖かく迎え入れてくれる雰囲気があるようです。
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IT企業誘致に注力している島根県。平成22年度から令和2年度の10年間で県内にサテライトオフィスや拠点を設置した県外企業は46社、エンジニア数も右肩上がりに増えています。今後もIT産業の成長が見込まれる島根県なら、魅力のある会社や仕事も増えていきそう。地方移住のネックはさらに解消されていきそうですね。
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